おもろい寺 宝山寺 @奈良・生駒
2010年 05月 23日
運動不足の現代人には苦行とも言える長い石段の先には・・・
ゴツゴツとした岩肌が剥き出しになった「般若窟(はんにゃくつ)」と、それを背景に広がる境内。

立体的でスペクタクルな景観です。

決して広い境内とは言えないのですが、コンパクトに、聖天、不動明王などいろいろな神様、
仏様が鎮座されておられます。

まるで、ここに来れば、あらゆる願い事をかなえてくれそうな(笑)。

息を呑む壮大な景色に、このお寺は、非常にユニークなお寺。ユニークというよりも、
むしろ、関西弁で「おもろい」寺と表現したほうがいいかもしれません。
何が、おもろいか、一言で説明するのが困難なほど、多種多様に渡る面白さなのであります。このお寺、意外にも、外国人(欧米人)に人気があるというのも何かしら、理解できるような気がいたします。
おもろさその1:アクセス交通
もちろん、歩いて登ってしまえば、それまでなんですが、近鉄の生駒駅から、生駒山を結ぶ、日本で最初に運行された生駒ケーブルが交通手段。
急勾配をゆっくりと進むその車体は山頂に遊園地があることからでしょう。
とってもカワイイものとなっております。
ブル号とミケ号の名付けられたその車体なのですが、
すれ違い際には「ワン!」、「ニャン」という警笛でご挨拶。
大人も子供もワクワクのアトラクション感覚で乗車を楽しむことができます。


おもろさその2:参道
ケーブルを降りると、宿坊や旅館が建ち並ぶ聖天通りへ。
寺に向かって果てしなく続くゆに見える石段に一瞬ひるんでしまいますが、一歩一歩前進あるのみ。
両脇には石灯籠がびっしりと並んでいます。

どこか神秘的な石段を登りきるといよいよゴール。
鳥居が宝山寺の入口です。

おもろさその3:その姿は謎のまま、ミステリアスな聖天さん
住職さん以外は姿を見ることが許されない秘仏中の秘仏が、大聖歓喜天こと聖天さん。
聖天さんはもともとインドの神様ガネーシャですが、好物は紋に見られる「大根」。
人間臭い一面を持っています。


もともと、インドはヒンズー教の神であったガネーシャですが、日本に渡ってきて、
大根が好物になったというのは何かしら不思議。
インドに大根あったのかな。
象の頭の神様ですが、2本の大根が象牙に見えないこともありません。
象を2本の大根でシンボライズしたのかもしれませんね。
また、毎日、深夜に住職さんが、像に油をかける「浴油供養」が行われていることからか、
植物油の業者さんからの信仰も厚いようです。

おもろさその4:修験道の聖地、般若窟
修験道の開祖である役行者が、この岩屋に般若経を納めたという言い伝えが残ることから、
「般若窟」と呼ばれるように。

よくよく見ると、仏さまが鎮座しておられます。


おもろさその5:お寺に洋風建築「獅子閣」
宝山寺の客殿としては、非常に珍しい洋風建築(重要文化財)。解体修理が終了しておらず、内部見学できなかったのが残念。

おもろさその5:生駒名物「くさもち」
でも、最も残念だったのが、生駒名物「くさもち」(笑)。宝山寺は24時間立ち入り自由というコンビニのような有難いお寺。私が足を運んだのが朝の8時ごろ。さすがに境内の茶店は未だオープンしておりませんでした。
とほほ・・。

(撮影:5月15日)

