日本の名画座BEST3というのもまんざら嘘でない パルシネマ@神戸新開地
2009年 10月 30日
もともと、神戸の中心地は、現在では三宮界隈ですが、戦前までは、断然新開地なのでした。映画がテレビによって娯楽の主役から滑り落ちてしまったことや、市役所をはじめとして多くのオフィスが三宮に移転するなど、新開地は寂れる一方。
そんな新開地ですが、映画関連で気をはいているのが、神戸アートビレッジとパルシネマしんこうえん。
神戸アートビレッジは公的施設ですが、パルシネマの方はバリバリの民営。このご時勢、経営は必ずしもうまく行っているわけではないと思うのですが、そこは熱意と映画に対する愛情でカバー。今時、2本立て1200円で見れるというのは映画ファンにはうれしい限り。
うっかりしていてあっという間に終わっちゃった映画、そもそも関西で上映されなかった不憫な映画なんかを拾い見るには最適はスペースであります。
そして、今時のシネコンにはかけらも無い、名画座特有の雰囲気(=品格、気品、温かみ・・・)があって、是非とものお奨め。
今回は、かねてから何度も見逃していた「英国王給仕人に乾杯」を見に来たのですが、童子上映の「ウェディングベルを鳴らせ」も期待以上の面白さで得した気分。
なお、2本立てだからたぶん無理なのかもしれませんが、完全入れ替え制ではありません。でも、上映中の入室をやんわりお断りするなど鑑賞の邪魔にならない配慮もうれしいところであります。
待合コーナーには何故かゴジラとガメラが(笑)。この映画館も火をはいている・・・のではなく、気をはいておられます。

また、シートが紅白に色分けされていて、赤いシートが女性席で白カバーシートが男性席だと説明あり。女性が安心して映画を観られるようにと配慮された結果なのでしょう。
上映中にスナック菓子の袋の音がするのを防ぐためのパルシネマ特製手作りのスナックボックスなど芸が細かいですね。
スクリーンは小さい劇場のわりに大きいし、空調の具合もいいし、古い劇場のわりに椅子も楽。また、パルシネマの支配人さんの自筆のフリーペパーもなかなかいいかんじ。
日本の名画座BEST3というのもまんざら嘘ではありません。
