司馬遼太郎さんが住んだ町 近鉄河内小阪
2009年 10月 28日

ちなみに司馬遼太郎記念館は、自宅敷地に隣接した形で建てられたもの。
氏の表札も残されていました。


↑こちらは、旧司馬邸の玄関。
◆ちょうど、企画展として『坂の上の雲』が書かれた書斎風景とその時代展(2010年2月28日まで)が開催されていました。

◆近鉄河内小阪駅から、商店街や住宅街を歩いて10分程度。駅前の商店街を抜けると、旧い村の形が今も残っています。

道は迷路のように入り組んでいて、東に向いていたはずが、北に出てしまったり(笑)。でもご心配ご無用、駅に置かれている地図付の案内チラシと看板で難なくたどり着くことができます。
◆途中の公園には2001年に東大阪市が設置した司馬遼太郎文学碑「二十一世紀に生きる君たちへ」があります。

「二十一世紀~」は、短い随筆ですが、文中には、司馬さん自身、自分が生きたまま二十一世紀を迎えられないことを予期している箇所があることや、それを前提として、やがて二十一世紀を担っていくであろう子供たちに向けての力強いメッセージが込められていることから、まさしく司馬さんが残した遺書とも言うべきものとなっています。
「司馬遼太郎さんを送る会」でも朗読されたそうです。
◆司馬さんは、毎日1時間、奥様とふたりで、お散歩に行かれるのが日課だっととか。たまに1人で散歩にでかけると、迷子になって、自分がどこにいるか分らなくなって奥さんのおられる自宅に電話されることもあったそうな(笑)。ひょっと、ライフワークの執筆活動以外は奥さんにおんぶに抱っこだったのかな。間違っていたらごめんなさい。先生。
町家風の建物が点在していたり、猫が寝そべっていたり・・・、商店街には美味しそうなお菓子が売っていたり・・・。結構、庶民的などこにでもあるような街なのですが、どこかしら文化的な気配を感じるのは、氏がこの街を好み居を構えた故なのか、それとも、記念館が文化の発信を担っているからなのでしょうか。はっきりとわかりませんが、とにかく、何故か気に入ってしまう不思議な魅力を持っている街であることには違いありません。
↓記念館周辺で見かけた猫2題。


もちろん、氏はご近所でも有名人だったのですが、中には、「近所のスーパーでよくお見かけしましたが、こんなに偉い人だとは知りませんでした」近所の住民たちの微笑ましい話も残っているとか。
◆ところで、司馬遼太郎記念館。記念館は、ご自宅と安藤忠雄さん設計の建物で構成されています。エントランスをくぐると雑木林風の庭。自然のままがいいと特に手を入れなかったという庭が憩いの場を演出。
そして、整然のままに保存された書斎を窓越しに見ることができます。司馬さんは寒がりだったこともあり、サンルーフを作り、日の光が室内に入るようになっています。


いかにも安藤忠雄建築といえる回廊から記念館に入ると、そこは司馬さんの知の世界。

高さ11メートルの壁面に約3400の書棚が張り付く大書架があり、約2万冊の書籍が収納されています。これは圧巻ですね。思わず言葉を失ってしまいます。ただ、そこにいるだけで司馬さんからパワーが伝わってくるように思えます。手を取って読めないのが残念ですが・・・。そして、もっと残念なのは撮影禁止のため写真を撮れなくて、ご紹介できないことです。
小さな記念館ですが、司馬作品を様々な角度から取り上げる企画展や自筆原稿などの展示コーナーや、NHK作成の映像を上映するホールなどもあります。
◆なお、近くに、司馬遼太郎ファンであれば是非ともご紹介したお店があります。うどん・そば屋の「桜井」さん。

このお店は、司馬さん宅でながらくお手伝いをしていた方のお店。暖簾には、司馬さんの「遼」の字。そう、この暖簾は結婚と開店のお祝いのに司馬さんが書かれたもの。「線が細すぎたかな」と気にされていたとか。なお、このお店の箸袋の「桜井」の文字も先生の字。司馬遼太郎ファンにはいいお土産になるかも(笑)。

もちろん、司馬さんは、何度もこのお店に足を運んだとのことですが、何をいただいたのでしょうね。
とりあえず、名物だということで「なべやきうどん」をいただきました。なるほど、おいしくいただきました。

桜井
TEL 06-6722-4188
住所 大阪府東大阪市小阪本町2-13-15
営業時間 11:30~15:00 17:30~21:30
定休日 金曜日