もうひとつの清明神社 安部清明神社@大阪・阿倍野区
2009年 10月 19日
ところで、安陪清明ゆかりの神社は京都の清明神社のみではありません。大阪の南、阿部野にも安部清明神社があります。


安部清明の出生地説には、大阪説、讃岐説、茨城説があるようですが、最も有力な説が大阪説。
『葛乃葉(くずのは)伝説』によると、晴明の父は大阪市阿倍野区阿倍野の出身とされているようです。
以下、引用文です。
「いまから千年以上昔、阿倍野に安倍保名(あべのやすな)という男が住んでいました。あるとき、和泉(いずみ)の信田明神(しのだみょうじん)にお参りをすませて帰ろうとした保名の元へ、狩りで追われた白狐が逃げてきて、これをかくまってあげました。
その後、白狐は女の人になって、保名のところへ来ます。名前は葛乃葉と名乗りました。ふたりは結婚して阿部神社の近くに住み、やがて子供が生まれ、安倍童子(あべのどうじ・晴明の幼名)と名付けました。」
狐は古来から、霊力を持った動物として崇められており、白狐であった母親を持つ晴明は、天才陰陽師として君臨することになるのです。晴明が阿倍野の出身というのは、安倍晴明神社の記録としても残っています。安倍晴明神社に伝わる『安倍晴明宮御社伝書』によると、安倍晴明が亡くなったことを惜しんだ上皇が、生誕の地に晴明を祭らせることを晴明の子孫に命じ、亡くなって二年後の寛弘四年(1007年)に完成したのが、現在の安倍晴明神社であるそうな。
境内には白狐の像と清明公の銅像が立っているほか、『葛乃葉(くずのは)伝説』に纏わるものも境内に見ることができます。


