小泉八雲も愛した狐たち @松江城そば、城山(じょうざん)稲荷神社
2009年 09月 30日

苔むした石段を上ると、大きな木の門前に、一対の石狐(いしぎつね)があります。その顔を見てちょっとびっくり。というのも、目がつりあがって、口も避けているちょっと不気味な一般的なイメージとは異なり、犬のお座りのようなポーズに加え何かしら親しみやすい表情をしていたからであります。


いやいや、人間みたいに、にっこりと笑っているように思えました。愛くるしくも優しそうな表情にも見え、小泉八雲さんが心癒されたこと何か分るような気しますよね。
小泉八雲さんは、塩見縄手の住居から、この城山稲荷神社をよく散歩したとのことですが、門の前ばかりか、小さな境内の中に、へえっ~と、あきれるほど無数の石狐が並んでいます。以前はもっとあったそうですが・・・。

その様子を『狐』というエッセーに描いています。
神々の国の石狐は驚くほど多様で、滑稽(こっけい)なもの、古雅なもの、グロテスクなもの、怪異なものと、変化に富んでいるが、ほとんどの場合、ひどく荒削りである。しかしそのために興味が減じることは決してない。
八雲さんがお気に入りだった門前の石狐はこの狐ではなく実は2代目。初代の石狐は拝殿横に写されているのですが、こちらも、やや古びてはいますが、やっぱり親しみ深い表情。優しくほほ笑んでいます。
