一畑電車 宍道湖の北岸をゆったりと@島根県
2009年 09月 27日



地元では「ばたでん」と呼ばれ親しまれています。
沿線には松江フォーゲルパークや古刹、古代遺跡、古い町並みなど見所も豊富。宍道湖の北岸を走るため、宍道湖や田畑など、車窓風景の変化も楽しいものがあります。


↑出雲平野は風が強いためでしょう、防風林が目立ちます。

その名前のとおり、出雲市にある一畑寺(一畑薬師)への参詣を目的として建設されたもの。そのため、一畑口駅でスイッチバックとなっています。2本の路線が一畑口でスイッチバックで1本となっているといった方が正確かもしれません。もともとは、スイスなどの山岳鉄道でみられるスイッチバック。この一畑電車のように湖畔の水平駅でスイッチバックが見られるのは極めて珍しいですね。

2010年には錦織良成監督により一畑電車をテーマとする映画『RAILWAYS』が公開される予定となっています。宍道湖岸や田園風景を背景に家族愛を描いた物語だとか。

のんびりした山陰の風情を味わいながらでの旅行として、「一畑電鉄」を利用する価値は十二分にありですね。
ところで、実際利用している車両はいずれも、関西の南海電車や関東の京急やから譲り受けたもの。都会をひたすら走り続けた昭和のレトロ電車は、湖岸のさわやかな風を浴び、「第二の人生」を楽しんで走っています。
なお、出雲大社へ行く場合は出雲大社前駅で下車することになるのですが、この駅は非常にユニーク。かまぼこ型の白いドーム天井にステンドグラス、アールデコといった当時最先端の装飾が今となってはレトロでかわいいものがあります。おそらく、開業した国鉄大社駅の和風デザインに対抗して造ったのでしょうね。一ローカル電車としたは最高レベルの気合が感じられます(笑)。先に昭和5年の竣工で、国の有形登録文化財。



こちらは松江市街のターミナル駅「松江しんじ温泉駅」。小さな駅ですが、かなりモダンなデザインです。

だいたい途中の駅はこんな感じ。無人駅が多いですね。各駅舎には出雲神話をモチーフにした絵が描かれています。

無人駅が多いこともあり、ワンマンカーシステムを採っています。そうそう、300円を払うと自転車を持ち込むことも可能。

一畑電車の経営は芳しくないでしょうが、地元の人々にとっては生活の一部となっています。先日紹介しました、明石・淡路間のたこフェリー同様、高速道路の無料化により、地域住民の足でもある「ばだでん」がこれからも宍道湖湖畔を走り続けることができるように願わずにはいられません。
がんばれ、一畑電車。

「ふるさと電車」って、いい響きですね。


