奈良町の隠れ寺「元興寺塔跡」&「元興寺小塔院」で桜を愛でる
2009年 04月 06日
元々、元興寺は蘇我馬子が飛鳥に建立した法興寺を起源とする大寺院だったものが、室町時代の土一揆によって焼かれ、現在は、真言律宗西大寺の末寺の元興寺極楽坊と東大寺の末寺である「塔址」、そしてに「小塔院」に3分されています。極楽坊も雰囲気のあるお寺ですが、「塔址」、「小塔院」は、「滅び」の美学も垣間見ることができる隠れ寺の風情。
元興寺塔址は、仮堂と塔跡がある民家に囲まれた小さな空間なのですが、基壇と巨大な礎石が残り、興福寺の五重塔をしのぐ高い塔が立っていたとか。

その礎石の傍らに素晴らしい古木があります。



この桜、周辺のソメイヨシノと比べ、やや遅咲きで、今回は5分咲きだったのですが、それでも十分美しい・・・。
なお、この元興寺塔跡は、桜のみならず、年間を通じて、様々な花を楽しむことができるスペースで、今回も、チューリップ、水仙、連翹、雪柳が目を楽しませてくれました。



なにかしら、ぼお~っとリラックスするのに最適のスペースです。
なお、小塔院跡はその五重小塔があった場所で、今は江戸時代に建立された虚空蔵堂があるのみ。ほんとうに、ひっそりとしています。桜に覆われる細い路地の奥に、小塔跡のお堂があるのですが、荒れた風情がたまりません。


(撮影:4月4日)