この27日の日曜日に終わってしまう「王朝文化の華-陽明文庫名宝展」。先週の日曜日に会場である京都国立博物館に出かけて参りました。
![]() 近衞家伝来の文化財を保存管理する「陽明文庫」(京都市右京区)が所蔵している国宝8件、重文60件などを紹介する充実した内容となっているので、行くか行くまいか迷っている人は必ず足を運んでください。 これだけのものをまとまった形で拝見できるチャンスなんてそうありませんから。 ![]() なにしろ、結構なボリュームですので、興味のあるものを集中拝見させて頂きました。 そうしないとバテてしまいます(笑)。 先ずは、何と言っても、平安中期に最高権力者として栄華を極めた藤原道長自筆の日記「御堂(みどう)関白記」(国宝)。よく、歴史の教科書にその名前は存じ上げているものの実物を見るのは初めて。娘の中宮彰子に皇子が誕生した様子などが暦に記されていて、人間としての道長の姿を垣間見ることができてなかなか興味深かったですね。 後、集中して拝見したのは、奈良~室町時代にかけての古筆・名筆が貼り込まれた「大手鑑(おおてかがみ)」(国宝)、漢詩文や和歌を記した流麗な文字が華やかな料紙に映える「倭漢抄(わかんしょう) 下巻」(国宝)あたりかな。平安時代の洗練された美意識が感じ取られます。 絵画展示では、何と言っても酒井抱一筆「四季花鳥図屏風」でしょうが・・・ 堂本印象の「秋景」 ![]() 竹内栖鳳の「菜介」 ![]() など京都ゆかりの画家による作品や・・・ 横山大観の「竹林」なども印象に残りました。 ![]() おそらく、明治以降の京都画壇の作品など数多く陽明文庫に残されているのでしょう。今後、このあたりに焦点を当てて美術展を開催してほしいものです。
藤の花を見に明石市魚住の住吉神社に出かけたのですが、興味深いものを見ることができました。
なんと、円山応挙の絵馬「神馬の図」です。 ![]() 江井島の市場屋庄助が奉納したものだとか。 円山派の祖として、写生と装飾性を合わせ持つ新しい様式をつくりあげた応挙。清新な画風を伝える絵馬ですね。
安藤忠雄氏設計の兵庫県立美術館。
![]() 昨年秋から、巨大な極彩色のカエルが屋上に出現しているのですが、なかなかお洒落で可愛いですよ。 ![]() オランダの美術家、フロレンティン・ホフマンさんが制作したオブジェで、名前は「美カエル」だそうな。 ![]() ちなみに、高さ約8メートル、幅約10メートル、カラフルなしま模様や三角帽子をかぶって屋上から身を乗り出すような姿が楽しい雰囲気を醸し出しています。 ![]() 何しろ存在感抜群ですので、皆さん、ついつい「振りカエル」ようです(笑)。
1月9日に終了してしまうということで、神戸市立小磯記念美術館で開催されていた「昭和モダン-藤島武二と新政策初期会員たち」を見に行って参りました。
![]() ![]() 私は、新政策協会(発足当時:新政策派協会)と聞いても全くピンとこなかったのですが、同美術館のホームページをそのまま抜粋すると・・・ 「近代的な市民文化が華開く一方、戦争の影が忍び寄りつつあった1936年、美術界統制に抗し、「反アカデミックの芸術精神」を掲げて、伊勢正義、猪熊弦一郎、内田巌、小磯良平、佐藤敬、三田康、鈴木誠、中西利雄、脇田和の9名が集まり、新しい美術団体・新制作派協会(現新制作協会)が結成されました。 会員たちは、その秋に第1回展を開き、自由大胆な表現とモダン感覚に優れた画風をもってそれぞれの個性を発揮し、大きな注目を浴びます。そして、彼らの反官展的立場に同調していた藤島武二は他界する1943年まで賛助出品を続け、第2回展以降、野田英夫、三岸節子、荻須高徳ら、有力な画家たちも加わっていきました。」 1936年というと、「2・26事件」が発生した年。ますます、軍部の力が強まり、あらゆる分野での統制が厳しくなってきた時代に、美術界統制の動きに反旗を掲げ、「反アカデミック」を旗印に、小磯良平などの若手有力画家が結成した美術団体とのことですね。 藤島作品9点に新制作会員たちの作品を加えた計76点を紹介する本展では、1930年代半ばに発足した新制作協会の結成前夜から1950年代までに光を当て、近代日本の美術界にあって美術団体が果たしてきた役割と歴史的な意義を再考するとともに、戦前・戦中・戦後という激動の時代に日本の洋画がどのように形づくられてきたかを検証するという趣旨。 こうしてみると、小磯良平さんの代表作である「斉唱」が、自然発生的な産物というよりも、こういった「自由に歌えない」時代背景に描かれたんだとうこと、改めて認識することができました。 ![]() 会員の多くが手がけた一部戦争関連画の展示においてさえも、戦地の人々や風景を描いた作品に、彼らの「沈黙の中」の強い意志を感じることができました。 なお、同展は、2012年1月28日(土)から3月20日(火・祝)まで、川越市の川越市立美術館でも引き続き開催されるとのことです。
四条烏丸にある大丸京都店。改築に改築を重ねてすっかり建築当時の面影はすっかり失われている・・・っと思っていたら、東側を除いてみると、心斎橋店で見られるようなヴォーリズの意匠がかろうじて残されているのをたまたま発見。
![]() ![]() ちょっと嬉しくなりましたね。 ![]() ![]() 大丸京都店 1928(昭和3)年 京都市中京区四条高倉西入ル
阪神岩屋駅から県立美術館に続く道は『ミュージアムロード』と命名されているのですが、このミュージアムロード沿いにはこのようなバナーがはためいてます。
岩屋駅から美術館へは、 ![]() 「県美スグ。感動確実」と。 そして、逆に、美術館から岩屋駅へは・・・ ![]() 「岩屋駅スグ。めでたし。めでたし。」 と記されています。 これは、ことばをモチーフとして表現活動を展開されているイチハラヒロコさんの作品です。 ![]() う~ん、実に面白い。
1月3日、女房は買い物。私は家で寝正月というのもなんだかなあということで、お近くの兵庫県立美術館で開催中の「伊藤清永展」に行ってきました。
![]() と言いつつも、正直なところ、私は伊藤清永というお名前を存じ上げませんでした。 実際、拝見した感想は、期待以上に面白かった、行っておいて良かったということ。入場料1,200円は決して高くないですよ。 余り難しい絵ではなく、肩の力を抜いて鑑賞できます。見ていて幸せになれるそこはかとなく明るさを感じることができます。 ネットによると、1911年(明治44)兵庫県下出石町下谷(しもたに)に生まれ、日展と白日会を中心に活躍した文化勲章受章の洋画家。後年は、繊細な色線を無数に重ねて描き出される豊麗優美な裸婦像で知られているとのこと。 裸婦像を見ると、一時期のルノワールの裸婦を思わせる画風で、しっかりした力量を感じさせます。 生誕100年を記念しての開催とのことですが、彼がそれほど広く知られていない(知らないのは私だけ?)のは、強烈な個性の欠如ということかもしれません。 でも、絵に温かみがあって、良い絵だと思いますよ。 特に印象に残ったのは、一連の裸婦ではなく、母の肖像(1946年)でしょうか。 ![]() 庭に佇んでいるのでしょうか、母の姿は凛として、ややうつむき加減の眼差しは優しく温かいですね。穏やかな表情に映し出される母の慈愛を感じさせます。ひょっとすると、この画家がなにかしら女性に対する優しさ、温かさは、この母親があってのことだったんじゃないかと。その意味、この絵は大変貴重だと思います。この絵を見て、ロートレックが描いたお母さんのポートレートを思わず思い出しました。 こちらは、おそらく、今展の目玉である「釈尊伝四部作」(1984年)の中のひとつ「降誕」。 ![]() 磯人(いそど) (1936年) ![]() 東京美術学校を卒業した翌年、25歳の時、文部省美術展で選奨(特選)を受賞した作品。画家としての道を確立したといわれる大作で代表作の一つだとのこと。伊勢志摩の安乗で働く海女の群像を力強く描いています。 こちらはポスターなどに使われた「室内(1948年)」。 ![]() 初めて見た絵ではないなと思ったら、やっぱり所蔵は兵庫県立美術館。この絵は、良い意味でアマチュアらしさが出ていると思います。気持ちがいい絵です。よく見ると、ベットの上に猫が居心地よさそうに寝ていますね。 会 期:2011年12月10日(土)~2012年1月22日(日) 休館日:月曜日 ※1月9日(月・祝)は開館、翌10日(火)休館 開館時間:午前10時~午後6時 ※金・土曜日は午後8時まで ※入場は閉館の30分前まで 観覧料:一般 1,200円/大学生 900円/ 高校生・65歳以上 600円/中学生以下 無料 会 場:兵庫県立美術館 兵庫県神戸市中央区脇浜海岸通1丁目1番1号
阪神梅田本店で開催中の「手塚治虫展」に出かけて参りました。
![]() 「アトム」デビュー60周年と映画「ブッダ」DVD発売を記念してのこととのこと。 ![]() 手塚さんが生涯で描いた約15万枚の漫画原稿とアニメーション約70作品の中から原画、写真、資料、映像など約170点を展示するもので、「手塚治虫の誕生」「作家・手塚治虫」「手塚治虫のメッセージ」の3部で構成されています。 百貨店の催し物会場で開催ということで、あまり期待していなかったのですが、かなりの充実度。確かにセル画などはそう多くなく、子どもさんには退屈だったかもしれませんけど。 手塚治虫さんが子ども時代に昆虫採集にいそしんだ宝塚・御殿山を歩いてみたことがあるのですが、特に、第1部「手塚治虫の誕生」では5歳から24歳まで宝塚で過ごした時代の資料を本人のコメントとともに紹介され興味深いものでした。 手塚治虫の原点、宝塚・御殿山 赤本自体はリアルタイムとは言えないかもしれませんが、新宝島などの初期作品は貸本屋で1冊10円で読み漁った世代。それ以前の「マアチャンの日記帳」などでも、手塚治虫さんらしさが垣間見ることができて面白かったですね。「ツギヒョウタン」もその一つ。 第2部の「作家・手塚治虫」では、映画からヒントを得た「ストーリーマンガ」の確立に努めた時代の作品などを展示されていたのですが、「鉄腕アトム」、「リボンの騎士」、「ジャングル大帝」なんて、ただひたすら懐かしかったのですね。当時は、何もわからず見ていたのですが、カメラポジションとでもいいたくなる視点のめまぐるしい移動など、当時の他のTVアニメとは一線を画するものでした。「鉄腕アトム」、「リボンの騎士」などにしてもオープニングのすばらしさは、その音楽自体の素晴らしさもあいまって、筆舌に尽くしがたいレベルの高さですよね。「リボンの騎士」の音楽は冨田勲でしたが、はっきり言って子どもにはもったいないレベルです。はっきり言ってTVアニメで映像と音楽による総合芸術で、「リボンの騎士」を凌ぐものは生まれていないと思います。 第3部「手塚治虫のメッセージ」では、漫画やアニメーション作品に込めた読者・視聴者へのメッセージを作品と共に紹介。「二度と戦争をくり返さない」というメッセージを込めた「来るべき世界」や、「正義とは何か」をテーマにした「アドルフに告ぐ」、不正と戦う若者を描いた「どろろ」、生と死をテーマにした「火の鳥」などを原画とパネルで紹介。 個人的には、神戸が舞台として描かれた「アドルフに告ぐ」が好きで、手塚さんが描いた神戸の風景も阪神淡路大震災で失ったものも少なからずあって、ついつい、手に取ってしまうのであります。 ■手塚治虫展 入場料は、一般=500円、学生=300円、小学生以下無料。開催時間は10時~20時(最終日は16時まで)。今月31日まで。
フェリシモ クチュリエ大賞というプロジェクトがあるのですが、大賞をはじめとする各賞の発表展示会が、神戸朝日ビルディングの1F ピロティーで開催されています。
忘れられない思い出やドキドキわくわくする気持ちなど、毎日の何気ない一瞬を、手づくりホビーによる創造性豊かな手芸作品で表現してもらおうというプロジェクト。今年で10年目だそうです。 毎年テーマが設定されていて、今回のテーマは「みんなの手づくり記念日」。毎日の中でささやかだけど、その人にとってはとても大切に思える日を、かたちにするという趣向。 どれも素晴らしい作品なのですが、個人的には、圧倒的にこの作品です。 ![]() 神奈川県の西山智美さんの「旅立つ日によせて」 技術的にも素晴らしいのですが、とにかく、親犬と子犬の間で交わされる優しいまなざし、そしてその2匹のわんちゃんを優しく包みあげる作者の方の暖かな心もそこはかとなく感じ取ることができ、感服いたしました。 ![]() 実は、この作品、母犬と子犬の「別れの日」でもあるわけで・・・。そんな気持ちで2匹の犬を見ていると、なおさら愛おしく感じざるを得ませんね。 ![]() なお、西山智美さんのブログ「きなことあるけば」を見つけました。 子犬だった「きなこ」も大きくなってます(笑)。
霧の六甲ガーデンテラスで見かけました。
![]() 大きなプレゼント箱のオブジェですが、よく見るとペットボトルで出来ています。 ![]() ![]() ![]() ワークショップで神戸の子供たちが描いたメッセージはペットボトルの中に入れられ、展示終了後に東日本大震災の被災地に届けられます。 こういう「イルミ」もありですよね。 < 前のページ次のページ >
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