チェロ最後の巨匠ロストロポーヴィチ氏が死去
2007年 04月 27日
ロストロさんの思い出を2つ。
一つ目は何年前だったか記憶がはっきりしないのですが、ロストロさんのドヴォコンの実演。ニコライ2世のDNA鑑定を行うための特使として来日されたことがありました。明治24年に起きた大津事件(おおつじけん)におけるニコライ2世の血痕が染み付いた衣服か何かを持ち帰ったのですが、その際、大阪のフェスティバルホールにおいてドヴォルザークのチェロ協奏曲(オケは大フィル)を聴くことができました。
ドヴォコンについては、今までいろいろと実演に接したのですが、その説得力に満ちた雄弁さは並ぶものは未だかってありません。もちろん、彼よりテクニックがあるチェリストはおられるでしょうけど。
2つめは、指揮者ロストロポーヴィチとして。
阪神淡路大震災10周年を機に神戸で2005年5月22日、に神戸の神戸ワールド記念ホールで1000人のチェロコンサートで大友さんとともに指揮されました。1,000人のチェロとチェリスト(正確には23カ国1069人、4歳から79歳のチェリストにより構成)は圧巻だったのですが、ロストロさんが舞台に登場するや否や、そのお一人だけで、1000人のチェロ軍団を圧倒してしまう存在感! そして1000人のチェリストを包み込む優しい眼差し。そのような体験は未だかってないですね。確か、NHKでもその模様放映されたはずです。再放送してくれないかな。
05.5.22(日)14:00 神戸 ワールド記念ホール
インターナショナル チェロ コングレス イン 神戸 2005 第3回 1000人のチェロコンサート
指揮/ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ,大友直人 コンサートマスター/林 俊昭 曲目:[スズキ・メソードの子供たちとの共演曲] ヴィヴァルディ/チェロ・ソナタ 第5番 ホ短調,[スズキメドレー] リゴードン(パーセル)/かすみか雲か~むすんでひらいて~フランス民謡,ゴルダーマン/レリジョーゾ,クレンゲル/讃歌,フンク/組曲 ニ長調,ペルト/フラトレス,ヘンデル/パッサカリア,三枝成彰/新委嘱作品 または チェロのためのレクイエム,ダヴィドフ/讃歌,シチェドリン/ハムレット・バラード(委嘱作品 初演)
ロストロさんに指揮していただいたのは、フラトレス、 ハムレット・バラードそしてダヴィドフの讃歌だったかな。
もう当分こんな人は出てこないでしょうね。ご冥福をお祈り申し上げます。