モーツァルト:2台のピアノのためのソナタ ニ長調
2006年 10月 17日
モーツァルトはウィーンに出てまもなく、アウエルハンマーという女性ピアニストを弟子に持ち、彼女と共演するために作曲し演奏したのが、この曲だとか。
ところで、このアウエルハンマーとはいったいどんな女性だったのか、もう一つはっきりしないのですが、とにかく、モーツァルトはこの「2台のピアノのためのソナタ」のみならず、彼女のために、通称ヴァイオリン・ソナタで通っているヴァイオリン伴奏付きピアノ・ソナタを多く作曲していることから考えると、どういう理由かはわからないものの、モーツァルトにとって重要な女性だったということは間違いないようです。
ご存知だと思いますが、モーツァルトのヴァイオリン・ソナタでは、ヴァイオリンよりもピアノパートの方が難しいことや、この「2台のピアノ~」でも、第一ピアノをモーツァルトではなく、アウエルハンマー嬢が受け持っていることを考えると、相応のピアノの腕を持っていたということが推測されます。
なお、曲は2人の演奏者に均等に割り振られているようにみえますが、実のところ、モーツァルトが受け持っていた第二ピアノが時には、第一ピアノを先導したり、下から支持にまわったり、結構細かいサポートぶりを見せるなど、結構気を使っているのが見受けられます。
そして、昨日のドラマで何度ものだめが何度も練習して耳についていると思いますが、第1楽章冒頭の豪快な主題。これは、モーツァルト自身のものではなく、彼が尊敬していたヨハン・クリスチャン・バッハからの引用だそうですね。
さて、私が所蔵しているCDはアシュケナージとフレージャーの共演によるものを含めたユニバーサルミュージック盤。このCDは2台のピアノのための協奏曲(バレンボイム、アシュケナージ)、3台のピアノにための協奏曲(ツォン、バレンボイム、アシュケナージ)もカップリングされているお徳盤です。実は、「のだめ~」でこの曲が登場するまで、このピアノ曲が収録されているCDを持っておらず、あわてて購入したのがコレ。ほかにも、聴いてみたのですが、この曲自体、2人のピアニストがうまく気が合っていることが最重要で、各々のテクニックの充実度はあまり関係ないように思っています。
と言いながら未聴ながらも、ブリテンとリヒテルの共演盤は、やはり気になる存在ではあります。