リスト:「死の舞踏」
2006年 02月 22日
ところで、今日取り上げようと思うのは、スルツカヤがSPの曲として選んだリスト「死の舞踏」です。この曲は、グレゴリオ聖歌の「Dies irae(怒りの日)」の主題を超絶技巧的に変奏して見せた曲ですが、スルツカヤさんが使った「死の舞踏」はポップス調で、ダイナミックさ、リズミカルさが良く出るようにまさしくフィギュアスケートにぴったりのアレンジになっていましたね。
オリジナルのリストの「死の舞踏」は、ピアノ独奏を伴う管弦楽曲ですが、もちろん、リストですので、怒りの日の旋律をベースに、ピアノが華麗に活躍するのであります。
なお、私自身、最近まで混同していたのですが、サン=サーンスの「死の舞踏」(サン=サーンスはこの曲をリストに捧げました)をピアノ用に編曲したものがあって、ずっとそれをリストの「死の舞踏」だと思っておりました(笑)。さらに、この編曲版をホロヴィッツが更に手を加えたものがあり、ややこしいのであります(笑)。因みに、このホロヴィッツのピアノも実に凄まじいのであります。
さて、私が聴いておりますのは、インマゼール指揮アニマ・エテルナによるZigZag盤。「死の舞踏」のほかに、「前奏曲」、交響詩「マゼッパ」、交響詩「ゆりかごから墓場まで」、ハンガリー狂詩曲第1番・第3番が収録されています。なお、「死の舞踏」では、リアン・デ・ヴァールというピアニストが1886年製のエラール・ピアノを弾いているのですが、この音色が華やかで、実にいいのであります。確か、リストはエラールとの関りが深かったはずですね。