日本人によるベートーヴェン「第九」初演
2005年 11月 29日
指揮者は、ドイツ人のグスターフ・クローン教授、ソロイストは長坂好子、曽我部静子、沢崎定之、船橋栄吉の各氏。オーケストラとコーラスには、音楽学校の講師生徒約200名が総出演。
当日は、大変な混雑だったようで、演奏会の数時間前から入場希望者の列が音楽学校の門の外に溢れ、演奏会場の奏楽堂は、廊下まで聴衆が溢れたとのこと。これは異例なことで、一つの事件と言えるものでした。
前年の9月1日に関東大震災があり、東京は壊滅的状況にあったことから、初めての「第九」演奏会開催は並大抵のことではなかったと思います。否、ひょっとして、この日本人による初めての「第九」演奏会開催は、関東大震災が大きな動機になっていたのかもしれません。
阪神淡路大震災の際にも、同様に、復興への祈りから、「第九」が演奏される機会が結構ありましたが、これは「第九」のメッセージ性から起因するもので、単なる偶然ではないかもしれませんね。