フィンセント・フォン・ゴッホ(3):アルルの部屋
2005年 06月 05日
ところで、この絵は、元々松方コレクションの一つ。歴史が違う方向に進んでいれば、この絵は日本にあるはずのものなのであります。フランス政府は、日本に、松方コレクションの一部を日本側に返却したのですが、重要なものはパリに残したとのこと。
オルセーの学芸員さんは、「この絵は、オルセーでもゴッホ作品の中でも最上位にランクされている。芸術的な重要性だけではなく、壁の掛けられた写真、絵など、ゴッホ研究の上からも重要。松方コレクションの日本返却の際に、どうしてもこの絵は返却リストに加えたくなかったのでしょう。」と仰っておられました。
この絵で注目したいのは、壁の掛けられた2枚の顔写真。おそらく「テオ」とその妻「ヨハンナ」のものじゃないでしょうか。
ゴッホはテオやヨハンナと多くの手紙を取り交わしていましたが、彼らを思う気持ちが、この絵にもあらわれていますね。