「招き猫亭コレクション 猫まみれ展」(3)歌川広重 名所江戸百景「浅草田甫酉の町詣」


広重晩年の傑作である名所江戸百景は、大胆奇抜な構図が特徴で、モネやゴッホといった印象派の巨匠たちが模写したことで世界的にも知られていますね。

吉原で働く女性の控屋があったのが浅草田甫です。

「招き猫亭コレクション 猫まみれ展」(3)歌川広重 名所江戸百景「浅草田甫酉の町詣」_b0063958_18483185.jpg


遊女屋の窓の格子越しに、田んぼの畦道を、縁起物の熊手を担いで歩く数えきれない人々の行列が描かれています。格子戸の外の富士を眺める広大な空間とは逆に格子戸の中の狭い閉じ込められた世界。

遊女の姿は描かれていませんが、ぼんやり外の自由な世界を眺める猫の姿は、部屋の主である遊女の姿を猫の姿に置き換えたものなのかもしれません。

広重の作品の中では珍しく、哀愁に満ちた傑作です。
by tetsuwanco | 2016-02-15 18:49 | アート

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by てつわんこ
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