旧乾邸について
2005年 03月 11日
artshoreさんが、御影の旧乾邸について興味あるエントリーをされておられます。
神戸市の東灘区の住吉川に沿った乾邸周辺は、現在白鶴美術館となっております白鶴酒造七代嘉納治兵衛氏の旧宅や日立の創業者で逓相(郵政大臣)、更には政友会の総裁にまで登りつめた久原房之助の広大な住宅(今はマンション群に変わっております)など、超ウルトラ高級住宅地でありましたが、西洋美術、音楽など文化的関心も高い人々が数多く住んでおられたようであります。
この旧乾邸では、年何度かサロンコンサートが行われているのですが、私は何度か足を運んだことがあります。
乾邸の大広間は室内楽や器楽曲などちょっとしたサロンコンサートとして最適であります。また、邸宅の主もクラシック音楽好きであったことが偲ばれる絵などがさりげなく壁に掛けられていたりします。
おそらく、気心がしれた人々を集めてサロンコンサートなども行ったのではないかと推察されるところ、サロンコンサートの会場としてこのような古きよき神戸を伝える邸宅を有効に使われていることは、かっての邸宅の主も喜んでおられるように思いますね。
震災からも生き長らえた洋館が、マンションなどに姿を変えてしまうなか、なんとか、旧乾邸も生き延びて欲しいものであります。
また、過去の遺物とした残されるのではなく、周辺の住民が集うサロンといった生きた形で建物が活用されるといった意味で、この乾邸が一つのモデルケースとなればと期待している次第であります。