~昔より名には聞けども今日みればむべめかれせぬ糸桜かな~ @京都御苑近衛邸跡
2013年 03月 30日
古くから有名な桜で、幕末の安政2年(1855年)、孝明天皇が近衛邸を訪問した際に、「春の雨に糸くりかけて庭の面はみだれあひたる花の色かな」 と詠み、たいそう糸桜を愛でられたそうな。
約60本の「近衛邸の糸桜」が植えられていますが、それぞれの桜の雅なこと。
現在見られる桜はどの木も大木で勢いがありますが、いずれも明治以降に植えられたもので、孝明天皇がご覧になられた桜ではないそうです。
それでも、在りし日の近衛邸の春の光景を充分想像させてくれます。
現在は、白い桜が主ですが、日が経つにつてて、徐々に薄紅色の糸桜が増えてきます。また雰囲気が変わってきます。
それにしても、雅で美しい桜なのでしょう。
かつての近衛家庭園跡の池や土橋を背景にしだれ桜が咲き乱れるようすはとても素晴らしく、この時期には毎年欠かさず訪れています。
(撮影:3月23日)