神戸カンマーコーア第3回定期演奏会 《2つのレクイエム》@神戸文化ホール大ホール

ゲルハルト・ボッセさんがお亡くなりなってから、神戸文化ホールとはちょっと縁遠くなっていたのですが、久々に神戸文化ホールに足を運んで参りました。

《2つのレクイエム》と題して、モーツァルトとフォーレのレクイエムを演奏してしまおうという演奏会で、お得感あり(笑)。

コーラスは、オラトリオの権威である小松英典氏を音楽監督に迎え、2008年に結成した比較的歴史の浅いグループ。それながら、2009年には、ハイドンの「四季」を、2011年にはヴェルディの「レクイエム」と、それぞれ、ドイツのレーゲンスブルクで海外演奏会を行うなど、華やかな活動をなされているようであります。年齢構成は、やや年配の人が多いといった感じで、結構資金力がありそうですね。

さて、当日の演奏ですが、特段の破綻もなく、卒なくこなされていました。もちろん、アマチュアとしてレベルは高い方であることは間違いないでしょう。

でも、特筆すべきは、ソリストの充実ぶり。

NAXOSレーベルからもマーラーの歌曲集をリリースするなど活発な活動を行なっている音楽監督でもあるバリトンの小松秀典氏も、さすがと思わせるところがありましたが、一段と素晴らしいと感じたのが、ソプラノのドリス・デリンガー氏。フォーレのレクイエムは何度となく生演奏に接する機会がありましたが、少なくとも今まで聴いたピエ・イエズの生演奏のベスト。聴衆が彼女の歌声を集中して聞き入っているのがよくわかりました。過去、ベルリン・フィルやマンハイム国立劇場などでオペラ、オラトリオ、歌曲等、幅広い演奏活動を展開してきたというのも納得の歌声でした。この演奏会で、彼女の歌声が聞けただけで充分満足。

さて、ここしばらく、モーツァルトのレクイエムのライブ演奏を聴いていると、ほぼ100%、途中で寝てしまうのであります。今回の神戸カンマーコーアの皆様の演奏ぶりは満足できる内容であったにも関わらず。おそらく、私がモツレクを聴き過ぎていることもあるのでしょうが、推測ですが、昨今のモーツァルトの演奏スタイルが、あまりのみ宗教曲としての枠組みにはめ込むことにとらわれすぎている故ではないかなと思ってみたりもして。

その証拠に、私のモツレク録音のお気に入りであるシェルヘン指揮ウィーン・アカデミー室内合唱団、ウィーン国立歌劇場管弦楽団による1953年のWESTMINSTER 録音のもは、決して途中では寝てしまうようなことありません。

確かに、シェルヘン指揮による演奏は、やたらとテンポが早くなったり遅くなったり、ソロパートなども、何やらオペラのアリアのようであったり、宗教曲としてはドラマチック過ぎるキライがあって、今日的演奏ではありません。見方によれば、いわゆる、「トンデモ」演奏の部類に入れる人もいても決しておかしくは無いけれど、とにかく理屈抜きに面白い。このような演奏の方が、モーツァルトの天才ぶりがより理解できるように思えるのですけどね。

最近は、卒のないモツレク演奏ばかりが目立つような気が致します。

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神戸カンマーコーア第3回定期演奏会 《2つのレクイエム》
バリトン・音楽監督/小松英典 指揮/ホルスト・フローン 管弦楽/テレマン室内オーケストラ ソプラノ/ドリス・デリンガー メゾソプラノ/城守 香 テノール/マイケル・コネーレ 曲目:モーツァルト/「レクイエム」,フォーレ/「レクイエム」
by tetsuwanco | 2012-11-17 18:44 | クラシック演奏会

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by てつわんこ
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