こんなもんでしょう。「オペラ座の怪人」
2005年 01月 30日
この「オペラ座の怪人」は、アンドリュー=ロイド・ウェーバー製作のミュージカルが前提となって、それを映画に焼き直したわけで、そこに、ロイド=ウェーバーの世界が広がっていて、それはそれで評価できるとは思うのですが・・・。これは、ガストン・ルルーの「オペラ座の怪人」ではなく、ロイド・ウェーバーの「オペラ座の怪人」であります。そう考えるべきかもしれませんね。
こんなもんでしょう。
残念ながら、オリジナルのガストン・ルルーが描きたかったグロテスクがかった耽美的な美意識の世界とは、どんどん離れて、単なる恋愛モノになっちゃっています。あまりにも美しく描きすぎていると思うのですが、厳しすぎるかな。
それに、舞台という制約のもとに、スペクタクルな場面も「すごい」と感じたのですが、映画では・・・。「映画は舞台を越えられなかった」というのが正直なところ。
今さら、「ノートルダムのせむし男」のカシモドの系譜である1925年のオリジナルの古典的ホラー映画の「オペラ座の怪人」を持ち出すのもどうかと思いますけどね。映画を見ているうちに、1925年版がなつかしく感じられたのですが・・・