~特別展示だけ見て帰るのはもったいない~ 京都国立博物館の野外展示

現在、平常展示館は現在工事中で、京都国立博物館が誇るお宝中のお宝を拝めないのが至極残念なのですが(2013年に再オープン)、博物館の庭園内には、平安時代の石仏や鎌倉時代の石塔から、ロダンの「考える人」など様々なものが野外展示されていいます。

本館の特別展示だけで帰ってしまうのはもったいないですよ。


ご存知「考える人」。

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実はこの「考える人」、以前は酸性雨の影響で像の表面が腐食し、無残な姿を晒していましたが、表面の腐食を洗い流し、本来の姿を取り戻しました。

◆石造阿弥陀三尊像(せきぞうあみださんぞんぞう)
平安時代後期 12世紀
京都市伏見区竹田町付近出土
安楽寿院蔵

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阿弥陀如来を中心に、観音菩薩と勢至(せいし)菩薩があらわされています。平安時代後期には、死後に阿弥陀の世界へ行くことをひたすら願う浄土教(じょうどきょう)が流行し、このような阿弥陀三尊が多数つくられましたが、石像は珍しいものだとか。凝灰岩でできており、昔はこの石仏のお体を削って水で練り、子供の顔に塗るとくさが直るという信仰があったため傷んでいそうです。



◆五条大橋 橋脚 桁(ごじょうおおはし きょうきゃく けた)
桃山時代 京都国立博物館蔵
刻銘「津国御影天正十七年五月吉日」

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天正十七年(1589)、豊臣秀吉が鴨川に架けた大橋の橋脚です。表面に刻されている「津国御影(つのくにみかげ)」の四文字から、摂津の御影(現、神戸市)からはるばる運ばれてきたことがわかります。



◆橋石材(はしせきざい)

桃山時代 国立博物館蔵
・五条大橋 石柱
・三条大橋 石柱
刻銘「天正十七年津国御影七月吉日」

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◆石造大日如来像(せきぞうだいにちにょらいぞう)

平安時代後期 12世紀
行願寺(革堂)伝来

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両手をおなかの前で重ねる大日如来。おだやかな彫り具合から、平安時代後期の作と判断されるとのこと。もとは、革堂(こうどう・かわどう)として知られる行願寺(京都市中京区)にあったものといわれています。

これ以外にも、不動明王様とか古墳の石棺、灯籠とか興味深いものが点在しているので、見て歩きを楽しむのも面白いですよ。
by tetsuwanco | 2012-05-26 21:29 | ちょっと遠出

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by てつわんこ
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