「野田ふじ」発祥の地・福島区玉川の春日神社
2009年 04月 27日
下の写真は、野田の地下鉄玉川駅近くにある「春日神社」。ノダフジを守ってきた庄屋「藤家」があったところです。
この春日神社内に「野田の藤跡」の石碑があり、ノダフジ発祥の地を示しています。
ノダフジの歴史は少なくとも鎌倉時代にまで遡るとのこと。
ちょうど美しくノダフジが花を咲かせていました。
ところで、この春日神社に隣接してその名も「藤マンション」というマンションがあります!
実はこのマンションに、このノダフジを守ってきた庄屋の藤氏の第18代目の藤三郎氏がお住まいになっておられるとか。なお、毎月、1日、15日11時から15時にはこのマンションの1D号室がノダフジの歴史資料と藤の和歌を集めた「のだふじ資料館」として公開されています。
阪神高速道路が通ることにより、藤家の庭は取り払われることになり、ここから程近い下福島公園にその庭が再現されているとともに、「藤庵」の碑が建てられています。
このノダフジの命名者は植物学者の牧野富太郎氏。
藤家の庭のフジを調べてヤマフジとは別種のフジであることを発見し、野田の地名を取ってノダフジと名付けたということです。
いま日本で自生するフジはこのノダフジとヤマフジの2種ですが、それ以前は別種として分けていなかったということになります。
この野田に自生するフジの雄大さとその美しさは「吉野の桜、野田の藤、高尾の紅葉」とうたわれていたとのこと。
太平洋戦争の空襲と台風で野田地域のノダフジは全滅。戦後の混乱の中で、その存在は忘れられていました。藤家に残っていた親株も高速道路の建設で取り払われることになったのですが、 70年代、地域史に紹介された「野田の藤」が再発見され、地元の人たちが「花を復活させよう」と声をあげ、わずかに残っていた株から接ぎ木をしたり、よそから購入したりして苗を増やし、95年には「区の花」に指定。今では福島区内で藤棚は約70カ所、株は200本以上にもなっているそうです。
(撮影:4月25日)