虎屋吉末の酒饅頭
2004年 11月 18日
神戸の阪神御影駅(神戸市東灘区)から南へ。酒どころ、御影郷の一角、国道43号線の北側、酒だるをかたどった煎餅(せんべい)、宮水を生かした酒まんじゅう、丁稚羊羹などが並ぶ和菓子店があります。江戸後期創業、おそらく、神戸でもっとも古い和菓子屋だろうと思います。二百年余の歴史を伝えるのが「商號(しょうごう)虎屋」としたためられた桧の一枚板。震災前は、文化財的な価値を有する立派な店舗だったのですが、残念ながら震災で全壊してしまい、現在は鉄骨の店舗になってしまいました。
このお店には、風流なおばあさんが、お店を守っておられ、店の中には、俳画や俳句がしたためられた短冊がさりげなく掲げられえていました。酒饅頭が蒸しあがったときに、お店に入ったときなどは、「ちょうど、良かった。食べて帰ってちょうだい。」と、お茶つきで、ごちそうになったものです。
そんなおばあさんも、震災で亡くなられてしまいましたが。
でも、味は立派に引き継がれております。確か、震災後、雑誌「サライ」でも、このお店、紹介されました。秋が深まり、寒さを感じるようになりますと、できたての酒饅頭が恋しくなります。
● 虎屋吉末
兵庫県神戸市東灘区御影本町4丁目1-1
電話:078-851-2444